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ピロリ菌について

[2019.12.14]


目次

ピロリ菌とは

ピロリ菌

ピロリ菌は胃に感染する細菌で正式名称はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)と言います。ピロリ菌に感染すると、急性胃炎を起こし、数週間で慢性胃炎になり、それが長期間持続すると萎縮性胃炎になります。ピロリ菌感染があると胃・十二指腸潰瘍、胃癌といった病気の発生率が高くなります。他には胃過形成性ポリープ、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹などもピロリ菌と関連があると言われています。
高度な萎縮性胃炎がある方はピロリ菌に感染したことがない方に比べて胃癌の発生リスクが148倍程度になるとの報告があります。また、ピロリ菌の治療を行うことで、胃癌の発生リスクを1/21/3程度に減らすことができるとの報告があります。

ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌の感染経路はまだ十分にはわかっていませんが、幼少期(5歳以下)に口からピロリ菌が入ることで感染すると考えられています。幼少期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生き延びやすいためです。大人になってからの日常生活・食生活ではピロリ菌の感染は起こらないと考えられます。
上下水道の完備など生活環境が整備された現代の日本では生水を飲んでピロリ菌に感染することはまずないと考えられます。
近年の先進国におけるピロリ感染は幼少期における家庭内感染が重要な要因で、父親や兄弟に比べて母親からの感染が主であることが研究で証明されています。ピロリ菌に感染している大人から小さい子供への食べ物の口移しなどには注意が必要です。

ピロリ菌の診断

ピロリ菌の検査は様々な方法がありますが、当院では血液検査(抗ピロリ抗体)および尿素呼気試験(薬を飲んで息を吐く検査です)を採用しています。血液検査では88100%の確率で、尿素呼気試験では98100%の確率でピロリ菌の有無が診断可能と言われています。
ピロリ菌の検査を行うにはまず、胃カメラで慢性胃炎(萎縮性胃炎)があることの確認が必要になります。胃カメラをせずに検査をすることはできますが、診察や検査および治療のすべてが自費診療になってしまいます。

ピロリ菌の治療

以前は胃・十二指腸潰瘍がある方や胃癌の治療後などでないと保健適応でのピロリ菌の除菌ができなかったですが、2013年から慢性胃炎(萎縮性胃炎)があるだけでも胃がん予防を目的としたピロリ菌の保険適応での治療が可能になりました。内服薬(抗生剤2種類(アモキシシリンとクラリスロマイシン)と胃酸抑制剤1種類)を1週間飲むことで治療ができます。治療成功率は70~80%と言われており、1回目の治療が不成功であれば抗生剤の内容を変えて再度治療を行います。
最新の胃酸抑制剤(タケキャブ®)を用いることで、治療成功率が93%に上昇したとの報告   があります。当院でもタケキャブ®を採用し、積極的にピロリ菌の治療を行っています。まれに一回目の治療が不成功に終わる時がありますが、抗生剤の種類を変えて(アモキシシリンとメトロニダゾールという抗生剤の組み合わせになります)再治療を行うことで全体で99.9%の方で治療が成功するとの報告があります。
当院の成績では治療成功率は初回治療で90%、二回目の治療まで含めると100%でした。その差はピロリ菌の抗生剤への耐性株の割合の問題があると思われますが、服薬率も重要であると考えています。
二回目の治療も不成功だった場合は抗生剤の種類を変更して、三回目の治療を行うことができますが、残念ながら三回目以降の治療や診察などについては保険適応外となってしまいます。
最近の報告では治療成功後の再感染率は0.22%/年と低率でした。

ピロリ菌の治療後について

一定の期間をおいてから治療が成功したかどうかを確認する検査を行います。ピロリ菌の治療が成功しても胃癌の危険性がゼロになるわけではありません。慢性胃炎(萎縮性胃炎)がある方は定期的な胃カメラが勧められます。
2017年の日本人の胃癌による死亡数は男性で2位、女性で4位でした。ピロリ菌の治療および定期的な胃カメラを行い、胃癌の早期発見・早期治療を行うことがとても重要です。適切な検査・治療を行うことで胃癌による死亡をほぼ防ぐことができると考えられます。新副院長の西村聡は元々は食道癌・胃癌・大腸癌の診断および内視鏡治療を専門としています。ご質問などあれば遠慮なくお声かけ下さい。
ピロリ菌の治療後に胃酸の分泌が回復して逆流性食道炎を起こす場合がありますが、軽度のものであることがほとんどで、大きな問題にならないことが多いです。

本コラムはピロリ菌についてご理解いただくのにお役に立ちましたでしょうか?
姫路市でピロリ菌の診断・治療をご希望の方は書写西村内科にお気軽にご相談ください。

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