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内視鏡画像

目次

胃カメラ画像(食道・胃・十二指腸)
大腸カメラ画像(大腸)

◎このページでは当院の院長が診断や治療を行った様々な病気の内視鏡画像(胃カメラ・大腸カメラ)を紹介・解説しています。

内視鏡画像(食道・胃・十二指腸):正常・潰瘍など

①食道

【正常(食道胃接合部)】
食道胃接合部という、食道と胃のつなぎ目の部分です。炎症がない状態であれば柵状血管と言われる細い血管が透けて見えます。

 

 

 

【逆流性食道炎】
胃酸の逆流によって食道が荒れてびらん(粘膜の傷害)を生じています。胸やけや呑酸感(のどの辺りや口の中がすっぱい感じがすること)、のどの違和感、頻繁なげっぷ、咳、みぞおちの不快感や痛みなどの症状をきたします。

 

 

【食道炎症性ポリープ】
逆流性食道炎に伴って、炎症性のポリープを生じることがあります。治療は逆流性食道炎の治療と同じで胃酸の分泌を抑える薬になります。

 

 

 

胃酸を抑える薬による治療でポリープは消失しました。
癌との区別が難しい場合もあり、治療後にポリープが消失していることを確認することが重要です。

 

 

 

②胃

【正常(胃体下部大弯)】
ピロリ菌のいない、正常の胃です。ひだの太まりや粘膜の発赤などを認めません。

 

 

 

写真の矢印の先にある白い点についてご質問がありましたのでお答えします。こちらは光の反射を見ているだけですので、どうぞご安心ください。ささいなことでも結構ですので診察時にご不明な点があれば遠慮なくご質問ください!

 

 

【胃潰瘍】
みぞおちの不快感や痛みといった症状をきたし、食後に痛むことが多いです。主な原因としてはピロリ菌や痛み止め、抗血栓剤があります。 

 

③十二指腸

【正常(十二指腸球部)】
胃の出口を超えてすぐの部位です。

 

 

 

 

 【十二指腸潰瘍】
みぞおちの不快感や痛みといった症状をきたし、胃潰瘍とは逆に空腹時に痛むことが多いです。胃潰瘍と同じく主な原因としてはピロリ菌や痛み止め、抗血栓剤があります。

 

 

腫瘍性病変

①早期食道癌

【早期食道癌(表面平坦型)(通常観察)】
赤い部分が病変ですが、平らな病変なので見慣れていないと少しわかりにくいかもしれません。

 

 

 

【早期食道癌(表面平坦型)(NBI観察)】
NBIという画像強調をかけることで病変の境界や性状がより分かりやすくなります。少し茶色く見える部分(brownish area)が病変です。

 

 

【早期食道癌(表面隆起型)(通常観察)】
少し盛り上がった部分が病変です。かなり小さいので、わかりにくい病変です。

 

 

 

NBIという画像強調をかけてもかなり認識しづらい病変で、この様な病変を見つけるためには注意深い観察と経験数が重要になります。

②早期胃癌

【早期胃癌(表面隆起型)(通常観察)】
矢頭で囲まれた部分に早期胃癌(表面隆起型)を認めます。

 

 

 

【早期胃癌(表面隆起型)(NBI観察)】
NBIという画像強調をかけることで病変の境界や性状がより分かりやすくなります。

 

 

 

【早期胃癌(表面平坦型、未分化型)(通常観察)】
一見潰瘍のあと(瘢痕)に見えますが、白い部分が病変です。胃癌の中でも未分化型というタイプの癌は初期のうちはこの様に白色の平らな病変を呈します。

 

 

【早期胃癌(表面平坦型、未分化型)(NBI観察)】
NBI観察でも癌として認識することは難しい病変で、癌の中にはこの様な見た目を呈するものがあることを認識して、生検(病理組織検査)を行うことが重要になります。

 

【早期胃癌(表面陥凹型)(通常観察)】
一見すると治りかけている胃潰瘍のように見えますが、よく見ると少しいびつな形をしており、精査の結果早期の胃がんという結果でした。このように一見胃潰瘍のように見える胃がんもあるので、胃潰瘍があった場合は内視鏡を行って、完全に潰瘍が治っていることと、生検(組織の一部を取って病理検査に出すこと)を行って、胃がんの除外を行うことが重要です。

③胃MALTリンパ腫

【胃MALTリンパ腫】
悪性リンパ腫という病気の中の一種類で、本病変ではわずかな血管の拡張を認めるのみでした。ピロリ菌の除菌によって治せることが多い病気です。

 

 

④十二指腸濾胞性リンパ腫

【十二指腸濾胞性リンパ腫】
悪性リンパ腫という病気の中の一種類です。左の画像で多数見られる白い隆起した病変です。化学療法を行う場合もあれば、サイズなどの変化がなければ経過観察をする場合もあります。

 

 

ピロリ菌関連胃炎

【正常(胃体中部大弯)】
ピロリ菌がいない胃粘膜は、みずみずしく血管もあまり透けて見えません。均一なひだを認めます。

 

 

 

【萎縮性胃炎・びまん性発赤】
ピロリ菌の感染があると粘膜の発赤や粘膜の腫脹、白濁した粘液の付着などといった所見を認めます。このような所見があるとピロリ菌が現在も感染している可能性が高いです。

 

 

【萎縮性胃炎】
ピロリ菌が長期間感染していると胃粘膜の萎縮を来たし、血管が透けて見えるようになります。このような所見の場合、現在もピロリ菌がいる場合と、以前にピロリ菌がいたが現在はいなくなっている場合があります。

 

【鳥肌胃炎】
胃の出口に近い部分(前庭部)に1~2mm大の小隆起を多数認めます。ピロリ菌の初感染に対するリンパ系の免疫反応を反映しているとされています。悪性度の高い未分化型の癌を合併することがあり、注意深い観察が必要です。

ポリープ

【胃過形成性ポリープ】
赤みが強いポリープで、この画像のものは2~3cmほどの大きさです。ピロリ菌の感染に伴ってできる場合が多く、ピロリ菌の除菌を行うことで小さくなったり、消失したりすることがあります。大きいもの関してはがん化することがあったり、出血をきたして貧血の原因になったりすることがあり、胃カメラで切除することがあります。

【胃多発白色扁平隆起(春間・川口病変)】
左の画像で多数見られる、白色の平らに盛り上がったポリープです。PPIという胃酸の分泌を抑制する薬がこのポリープの発生に関係しているのではないかとの報告がありますが、まだはっきりとはわかっていません。現在のところ、がん化の報告はなく、治療の必要性はないと考えられます。

寄生虫

①胃アニキサス症

サバ、サケ、ニシン、スルメイカ、イワシ、サンマなどにいる寄生虫です。魚を食べた時に、まれに胃や腸の壁に侵入し、多くが8時間以内に激しい腹痛を生じます。吐き気や嘔吐、じんましんなどの症状を伴う場合もあります。

 

内視鏡で取ることで痛みはすみやかに治まります。予防法としては加熱調理が最も有効で、マイナス20℃で24時間以上冷凍しても死滅します。

その他の食道・胃・十二指腸の病変

①食道異所性皮脂腺

黄色い平らに盛り上がった病変です。食道の中ほどに見られることが多く、男性に多いとされています。症状が出ることはなく、特に治療は必要のない病変です。

 

 

②ランタン沈着

胃の壁がやや白っぽく、壁が厚くなっています。また所々に白い点も見えます。ただ、見慣れていないとわかりにくいと思います。胃にランタンという高リン血症の治療で使う薬が沈着している病気です。病気としても意味があるのかはまだ不明です。

 

③十二指腸過誤腫

画面左下に見える全体に盛り上がっており、内部はへこんでいる病変です。かなり珍しい病変であり、診断に苦労しましたが、最終的に十二指腸過誤腫という診断をつけることができました。治療するとなると手術が必要になることが多いですが、良性の病気であり、出血をきたしたりしなければ基本的に治療は不要です。不要な治療を行わないためにも、きちんと診断をつけることが大切になります。

姫路市で内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)をご希望の方は書写西村内科にお気軽にご相談ください。当院での内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)はネット予約・電話予約も可能です。下記リンクもしくはホームページの予約ボタンからご予約いただくか、下記番号にお気軽にお問い合わせください。

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胃カメラの詳細 ~上手な受け方からよくある疑問まで~

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内視鏡画像(大腸):正常・炎症性腸疾患

①大腸

【正常(横行結腸)】
正常な大腸の画像です。炎症やポリープがないと正常な血管が透けて見えます。

 

 

 

②潰瘍性大腸炎

【潰瘍性大腸炎(直腸炎型)】
炎症性腸疾患の一つで下痢や血便、腹痛をきたす病気です。本症例では軽度の発赤や膿性粘液を認める程度であり、軽症の症例です。このような症例であれば5-ASA製剤と呼ばれる薬の内服もしくは座薬のみで改善することが多いです。

 

【潰瘍性大腸炎(全結腸炎型)】
重症になると発赤が強くなり、潰瘍を作ったり、出血をきたしたりします。重症の場合は入院での治療が必要になる場合も多いです。

 

 

 

腫瘍性病変

①早期大腸癌

【S状結腸早期癌】
S状結腸の11cm程度の巨大な早期癌です。

 

 

 

 

大きな癌であっても早期の病変であれば内視鏡での治療(内視鏡的粘膜下層剥離術)が可能です。

 

 

 

 

切除後の画像です。かなり大きい潰瘍になっています。潰瘍は概ね1~2ヵ月程度で治ります。

 

 

 

 

切除した標本です。11cm大と極めて大きい病変ですが、無事根治切除ができました。

 

②早期大腸癌

画面中央の全体にある、少し盛り上がっており、内部が少しへこんでいる病変です。大きさは12mm大と大きくない病変ですが、粘膜下層という部分まで深く入りこんでいるがんでした。そのため、①の病変のように内視鏡で切除することはできず、大腸を切除する手術加療が必要でした。この様に小さいものでも深く入っていくがんのことがあるので注意が必要です。

③進行大腸癌

【S状結腸進行癌】
内視鏡が通過しない程の進行癌です。癌による狭窄で腸閉塞をきたすようになると大腸ステントという狭窄部を広げる処置や、イレウス管というチューブを留置することで腸の内容物を減らす処置が必要になります。また、大腸の穿孔(穴があくこと)をきたすと緊急手術が必要になります。

 

ポリープ

【大腸腺腫】
大腸でよく見られる良性のポリープです。大腸カメラをした時に切除されるのは概ねこのポリープになります。大腸のがんは腺腫が大きくなってがん化してできる場合が多く、小さいもののうちに切除することが大事になります。

 

寄生虫・感染症

①カンピロバクター腸炎

画面左にある、白苔が付着した部分がバウヒン弁といって大腸と小腸のつなぎ目の部分になります。このバウヒン弁に潰瘍を作るのが特徴的な所見と言われています。カンピロバクターという細菌が起こす腸炎で、鶏肉を食べて起こることが多いです。軽症であれば整腸剤の内服でいいですが、症状が強い場合は抗生剤を投与する場合があります。10%程度で腸炎を起こした数日から数週間後に手足や呼吸をする筋肉などの麻痺をきたすギラン・バレー症候群という病気を起こすことがあります。

②蟯虫症

あまりきれいな画像ではなくて申し訳ないですが、画像右側の細長い白いひもみたいなものが蟯虫(ぎょうちゅう)です。日本で最も多い寄生虫と言われてはいますが、寄生虫自体がかなりまれで、東南アジアから帰国した数歳のお子さんに対し、別の理由で大腸カメラをした際に偶然発見しました。症状は肛門周囲のかゆみが主になります。駆虫薬で治療します。

③尖圭コンジローマ

直腸で内視鏡を反転して見ている画像です。画像の12時~2時の黒い棒は内視鏡を見ています。画面下半分に広範に見られる少し白っぽい色の少し盛り上がった部分が病変になります。尖圭コンジローマという病変で、ヒトパピローマウイルスというウイルスの性感染に伴ってできます。

その他の大腸の病変

①大腸憩室

【大腸憩室】
腸管が外側に突出したくぼみです。基本的には無症状ですが、憩室炎を起こすと発熱や腹痛をきたしたり、憩室出血を起こすと血便をきたしたりします。

 

 

 

【大腸憩室出血】
憩室内の血管が切れて出血を起こすと、血便が出ます。自然に止まることも多いですが、大量に出血をすると大腸内視鏡(大腸カメラ)での止血処置が必要になる場合があります。

 

②直腸粘膜脱症候群

肛門からすぐの直腸内で内視鏡(カメラ)を反転させて観察している画面です。画面左側の赤い盛り上がった部分が病変になります(ちなみに画面右側の黒いものは内視鏡です)。排便時のいきみが原因となるため、便通のコントロールを行い、排便時に長時間いきまなくても便が出るようにすることが重要です。

③腸管子宮内膜症

画面の上半分を占める少し赤くて、血管が目立つ盛り上がった部分が病変です。本来は子宮内膜にしかない組織が腸の壁にできる病気です。腹痛や血便、便秘、お腹の張りなどの症状をきたします。症状が強ければ産婦人科でホルモン剤による治療を行う場合があります。

④collagenous colitis

この画像はもう潰瘍が治った後を見ていますが、線状の潰瘍が比較的特徴的です。難治性の下痢を主な症状とする原因不明の病気です。遺伝的要因、薬剤(PPI(胃酸の分泌を抑える薬です)、NSAIDs(痛み止めの薬です)、アスピリン、チクロピジンなど)、自己免疫、腸管感染症、一酸化窒素などが関係しているのではと言われています。

⑤虚血性腸炎

大腸の血流が一時的に悪くなって、大腸に炎症を起こす病気です。典型的には便秘後に排便をした際に腹痛・血便をきたします。この画像では炎症によって大腸のむくみや発赤、びらん(潰瘍の浅いもの)をきたしています。治療は腸を安静にすることになり、症状が強いものは入院で、点滴をしつつ絶食で休めてあげます。

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