新型コロナウイルス抗体検査
目次
2020/7/1から採血による新型コロナウイルスの抗体検査を行っています。
新型コロナウイルスのワクチンを打って免疫がついたかを確認したい方はどうぞお気軽にご相談ください。
外注での検査となりますので、検査結果の判明まで1~2日かかりますのでご了承ください。
なお、検査当日は他の検査や薬の処方などができませんのでご了承ください。
※2021/6/30時点では抗体検査は保険診療で今現在新型コロナウイルスにかかっているかの診断には用いられていませんのでご注意下さい。
抗体検査はこんな方に向いています
- 新型コロナウイルスのワクチンを打って免疫がついたかを確認したい方
- 出勤または登園・登校するのに際し、ご自身が免疫を持っている状態かあらかじめ確認しておきたい方
- 特に自覚症状はなく過ごしていたが、新型コロナウイルスに感染しても無症状のこともあると聞いて心配な方
- 以前に風邪の症状があったので、それが新型コロナウイルス感染症だったか知りたい方
*発熱や呼吸器症状(咳・鼻水・くしゃみなど)、味覚障害、嗅覚障害などの症状があり、現在新型コロナウイルス感染症の可能性がある方はPCR検査か抗原検査がお勧めされます。
当院で検査可能な検査
当院では下記の3種類の検査が可能です。
アメリカのオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製の
①「ビトロスアンチ-SARS-CoV-2IgG抗体検査」
②「ビトロスアンチ-SARS-CoV-2トータル抗体検査」
アボット社製の
③「SARS-CoV-2 IgGⅡ Quant抗体検査」
オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製の抗体検査試薬キット2020年4月にアメリカ食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可を取得した新型コロナウイルス抗体検査試薬です。アメリカで健常人400人を対象に実施した試験では、両製品ともに新型コロナウイルスの特異度が100%を示していました。つまりこの検査で陽性であれば新型コロナウイルスに感染していた可能性が極めて高いと考えられます。
また、PCR検査との判定一致率が98.5%以上と高い精度が確認されています。
ビトロスアンチ-SARS-CoV-2 IgG抗体検査試薬キット、ビトロスアンチ-SARS-CoV-2 トータル抗体検査試薬キットの試験成績については本ページ下部で詳細に記載しています。
抗体試薬キットの試験成績について
①のIgG抗体検査試薬では、感染後期に出現し回復後も患者の血液に存在するIgG抗体のみを検出し、②のトータル抗体検査試薬では、感染初期の急性期に出現するIgM抗体を含む全ての抗体を検出します。これらの2種類を用いることで、新型コロナウイルス感染による免疫獲得の有無を判断することが可能になります。
*IgM抗体は感染の初期段階(約1~2週間以内)で生成されます。
*IgG抗体は感染して約1~2週間以内に生成され始め、数年の間持続します。
*IgM抗体・IgG抗体の推移については下記リンクの東京大学アイソトープ総合センターから発表されている2020年6月11月現在の「新型コロナウイルスの検査結果の推移」暫定説明PDFをご覧ください。
検査料金
検査の費用は保険適用外で、下記の料金がかかります。
①「ビトロスアンチ-SARS-CoV-2IgG抗体検査」のみ:6,000円(税込み)
①、②の両方「ビトロスアンチ-SARS-CoV-2IgG+トータル抗体検査」8,000円(税込み)
③「SARS-CoV-2 IgGⅡ Quant抗体検査」:6,000円(税込み)
検査項目 | 検査料金 (税込み) |
測定する抗体 | 検査の意味 |
ビトロスアンチ-SARS-CoV-2IgG抗体検査 | 6,000 円 | IgG抗体(S) |
過去の感染もしくは、ワクチン接種によって新型コロナに対する免疫ができているのかがわかります。 |
ビトロスアンチ-SARS-CoV-2IgG抗体検査 |
8,000円 |
IgG抗体(S) |
初期の感染があるのかと、過去の感染やそれによる免疫があるのかがわかります |
SARS-CoV-2 IgGⅡ Quant抗体 | 6,000 円 |
IgG抗体(S) |
過去の感染もしくは、ワクチン接種によって新型コロナに対する免疫ができているのかがわかります。 感染もしくはワクチン2回目から3~4週間後の検査が推奨されています。 |
検査の受け方
- 当日ご来院いただいて腕から採血をします。
- 検査結果は1~2日で判明しますので、3日後程度でご来院いただければ結果を説明いたします。
検査予約に関しては、ネット予約や電話予約を受け付けております。
*一般診療予約で、患者様要望欄に「コロナ抗体検査希望」とご入力ください。
予約外で当日にご受診いただいても検査は可能ですので、お気軽にご相談ください。
抗体試薬キットの試験成績について
SARS-CoV-2というと耳慣れないので、何の検査なの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすウイルスの名前がSARS-CoV-2です。
アメリカで行われたビトロスアンチ-SARS-CoV-2 IgG抗体検査試薬キット、ビトロスアンチ-SARS-CoV-2 トータル抗体検査試薬キットの試験成績について詳しく記載します。
①ビトロスアンチ-SARS-CoV-2 IgG抗体検査試薬キット
・PCR検査との判定一致率
特異度(陰性一致率)は100%でした。これは、この検査が陽性であれば実際に新型コロナウイルスに感染したことがある可能性が極めて高いということです。
PCR検査との判定一致率は98.7%(449/455)と高い精度が確認されています。
・感度
抗体陽性率はPCR陽転後5日以内で92.3%、症状出現から12日以降では80%以上でした。
・交叉反応性
SARS-CoV-2 IgG抗体と交叉反応の可能性がある
- アデノウイルス抗体
- インフルエンザA IgG抗体
- インフルエンザA IgM抗体
- インフルエンザB IgG抗体
- インフルエンザB IgM抗体
- コクサッキーウイルス抗体
- エコーウイルス抗体
- ポリオウイルス抗体
- RSウイルス抗体
- HCV抗体
- 抗核抗体
で交叉反応試験を行ったところ、交叉反応性は認められませんでした。
これは他のウイルスなどに感染してできた抗体が陽性であっても、検査でSARS-CoV-2抗体が陽性という結果になってしまわないということです。
①ビトロスアンチ-SARS-CoV-2 トータル抗体検査試薬キット
・PCR検査との判定一致率
特異度(陰性一致率)は100%でした。これは、この検査が陽性であれば実際に新型コロナウイルスに感染したことがある可能性が極めて高いということです。
PCR検査との判定一致率は98.7%(480/486)と高い精度が確認されています。
・感度
抗体陽性率はPCR陽転後3日で93.3%、9日で100%でした。
・交叉反応性
SARS-CoV-2抗体と交叉反応の可能性がある
- アデノウイルス抗体
- インフルエンザA抗体
- インフルエンザB抗体
- コクサッキーウイルス抗体
- エコーウイルス抗体
- HCV抗体
- 抗核抗体
で交叉反応試験を行ったところ、交叉反応性は認められませんでした。
これは他のウイルスなどに感染してできた抗体が陽性であっても、検査でSARS-CoV-2抗体が陽性という結果になってしまわないということです。