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早期胃がんについて

[2020.04.22]

目次

  1. 早期胃がんとは
  2. 早期胃がんの形態
  3. 早期胃がんの治療
  4. 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは?

早期胃がんとは

胃がんは胃の粘膜から発生し、大きくなるにしたがって次第に粘膜層から粘膜下層、筋層、漿膜下層へと進んでいきます。その先端部がどの深さまで達しているかをがんの「深達度」と呼んでおり、下図のようにT1からT4bまでに分類されます。

がんが粘膜層または粘膜下層にとどまっている状態はT1と分類され、早期胃がんと呼ばれています。早期胃がんかどうかは主に内視鏡検査(胃カメラ)、胃透視検査(バリウム検査)などによって診断されます。早期胃がんの場合、病変の深達度、大きさ、がん組織のタイプ、潰瘍の有無によって、これまでのデータの蓄積から転移の可能性がほぼないと判断できることがあります。この場合には、手術ではなく胃カメラによる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)での治療が可能です。

 早期がんは検診目的や他の症状でたまたまうけた内視鏡検査で発見されることが多く、ほとんどの方は無症状か、非常に軽い症状しかありません。胃がんは進行がんにならない限り症状がないことが多いので、早期に胃がんを発見するためには定期的に内視鏡検査を受けることが重要です。

早期胃がんの形態

胃がんの肉眼型分類(見た目のことです)は
 0型:表在型
 1型:腫瘤型
 2型:潰瘍限局型
 3型:潰瘍浸潤型
 4型:びまん浸潤型
の5つのタイプに分けられています。この中で1型から4型は進行がんになり、早期胃がんは表在型に分類されます。

表在型はさらに細かく分けられており、
 0-Ⅰ型:隆起型(下図1段目左)
 0-Ⅱa型:表面隆起型(下図1段目右)
 0-Ⅱb型:表面平坦型(下図2段目左)
 0-Ⅱc型:表面陥凹型(下図2段目右)
 0-Ⅲ型:陥凹型
の5つのタイプに分けられています。

このように胃がんは様々な見た目を呈するため、内視鏡医は胃がんの見た目のパターンを認識して、小さい病変やわかりにくい病変でも見逃さないように注意することが必要です。

胃がん多くはピロリ菌によるものですが、近年胃底腺型胃がんというピロリ菌との関係がない胃がんが報告されています。頻度は少ないですが、非常にわかりにくく、慣れていないと発見が困難な病変もあるので注意が必要です(下図の矢頭)。

早期胃がんの治療

これまでのデータの蓄積から転移の可能性がほぼないと判断できる病変の場合には、手術ではなく胃カメラによる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)での治療が可能です。

ちなみに一つ上の段落で提示した写真の病変は左上のもの以外はすべて胃カメラによる治療(ESD)で根治することができました。大きい病変でも胃カメラによる治療で根治を得ることができる場合があり、胃カメラや胃透視、CTなどの様々な検査を組み合わせて、胃がんの進行度を判断し、適切な治療方針を立てることが必要になります。早期胃がんであっても手術が必要な場合もあり、私たち内視鏡医は胃カメラで治療ができる極めて早期の段階でがんを発見して、治療を行うことに心血を注いでいます。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは?

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは日本で開発された、内視鏡(胃カメラ)によって早期のがんを切除する治療になります。胃がんだけではなく、咽頭がん(のどのがん)、食道がん、十二指腸がん、大腸がんにおいてもこの治療が行われていますが今回は早期胃がんの場合について述べます。
具体的な手順としては

  1. まず胃カメラで病変の範囲を診断します。
  2. 次に病変を囲うように少しずつ焼灼を行い、マーキング(目印をつけること)を行います(下図1段目右の白い点がマーキングの痕です)。
  3. 次に局注針(注射針みたいなものです)で、病変の周りに局注液(生理食塩水やヒアルロン酸など)を注入し、粘膜下層という層を膨隆させます。
  4. 次に粘膜を切開して、その下の粘膜下層という層を少しずつ剥離していきます(下図2段目左、右)。
  5. 少しずつ切り進めていき、最終的に病変周囲の粘膜を全体的に切開し、その下の粘膜下層も全体に剥離することで病変を切除します(下図3段目左)。 

下図3段目右が切除した病変で、ホルマリンで固定した後で病理組織検査(顕微鏡の検査です)を行い、最終的ながんの進行度などを診断します。その結果を踏まえて追加治療(手術)の必要性の有無を判断します。

病院によりますが、だいたい処置の翌日から徐々に食事を再開していき、入院期間は1週間程度のことが多いです。
切除した傷痕(潰瘍)が治るまでは胃酸を抑える薬を内服していただきます。処置の1か月半~2か月後程度に胃カメラをして潰瘍が治ったかを確認することが多いです。
その後は病理組織検査の結果を踏まえて決められる内視鏡的根治度に応じて定期的に再発の有無の検査を行います。

また、ピロリ菌の感染がおありの方はピロリ菌の除菌を行います。ピロリ菌の除菌を行うことで、胃の別部位に胃がんができる危険性を半分から1/3程度に減らすことができるというデータがあります。

今回のコラムでは早期胃がんとその治療について述べました。繰り返しにはなりますが、早期胃がんでは症状が出ないことがほとんどですので、定期的に胃カメラを受けていただくことが重要になります。胃の状態によって、どれぐらいの間隔で胃カメラを受けた方がいいかが異なりますのでどうぞお気軽にご相談ください。

姫路市で胃内視鏡検査(胃カメラ)をご希望の方は書写西村内科にお気軽にご相談ください。当院での胃内視鏡検査(胃カメラ)はネット予約・電話予約も可能です。下記のリンクもしくはホームページの予約ボタンからご予約いただくか、下記番号にお気軽にお問い合わせください。

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院長コラムでも胃カメラの詳細について記載しています。
ご興味のある方は下記リンクからご覧ください。

院長コラム 「胃カメラの詳細 ~上手な受け方からよくある疑問まで~」

胃カメラの経口・経鼻、鎮静・非鎮静(麻酔薬を用いてうとうとした状態で検査を行うかどうか)のメリット・デメリットについては院長コラムで詳しく書いていますので、ご興味のある方は下記リンクからどうぞご覧ください。

院長コラム 「胃カメラはどっちがいいの?経口 vs 経鼻/ 鎮静 vs 非鎮静」

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